横浜自動車学校の争議とは

 労働組合の支部長でMさんが、2015年9月に教習中に一瞬の睡魔に襲われ、教習生の脱輪を回避できず破損事故を起こしてしまいました。もちろんMさんは深く反省し処分も受け入れるつもりでした。

 しかし会社は調査や対策を講じることなく、すぐさま最も厳しい処分である懲戒解雇をけしかけました。事故を組合攻撃の契機にしたのです。納得できずに闘うMさんに、会社は教習業務から外したうえ、3ヶ月もの自宅待機、さらには事務職に配置転換して草むしりなど見せしめをおこなったうえ、賃下げするなど、あの手この手でMさんを職場から排除しようとしています。

 Mさんは事故から4年経過した現在も教習業務に戻れずにいます。あわせて会社は組合員に対して一時金差別をおこない、組合事務所所に会社の備品を勝手に持ち込んで組合活動に干渉しています。これらの組合攻撃に対し、いま不当労働行為の救済を神奈川県の行政機関である神奈川県労働委員会に申し立てています。

 

無責任な会社の主張

  会社は事故の要因に「点頭てんかんの疑い」があるといい、よって「指導業務は危険」だとして指導員から外しました。しかしこれは産業医の意見をそのまま鵜呑みにしたものです。産業医は会社に雇われている立場であり中立性に疑問があります。そのうえ専門性もなく検査もせずに意見を出しており、医学的な根拠はありません。

 これをうけMさんが主治医の診察をうけ病気ではないとの診断書を提出すると「病気であるかは分からないが」と言い訳を始める始末です。

 指導員から事務職に配転されたことによりMさんの賃金は月に最大で15万円も減っています。こんな無責任な理由で、労働者の生活と尊厳を奪うことなど許されるはずがありません。

 

相次ぐ会社の不当労働行為

団体交渉の拒否や、不誠実な対応

 そもそも労働組合との団体交渉は、会社は無条件に応じなくてはならないことが法律で定められています。

 しかし会社は事故時を含めた、Mさんの教習中のドライブレコーダーを執行部が見ないと団交に応じないとし、労組がやむなくドライブレコーダーを見たうえ団交を申し入れるも、あれやこれやと口実を並べ誠実に団交を応じようとしませんでした。

 

和解協議に1度も姿をみせない石渡社長

 神奈川県労働委員会では、労使の話し合いによりこの争議を解決させようと、神奈川県労働委員会が和解の方針を示し、和解協議の場が設定されました。

 労働組合側はこれを受けとめ、和解に向けて真剣に議論を重ね和解協議に臨みました。

 とろこが石渡社長はこの和解協議に1度も姿をみせず、協議が進行しない状況が続きました。これに対し神奈川県労働委員会も、再三、石渡社長の出頭要請をしましたが、それでも和解協議には来ませんでした。

 そればかりか、この和解協議中であるにもかかわらず、組合事務所に会社備品を勝手に持ち込み組合活動を妨害するという、さらなる不当労働行為をけしかけてくる有様です。この行為により労使の信頼関係は崩され、和解協議は不成立となってしまいました。

 石渡社長は争議を解決する気があるのでしょうか。

 

組合事務所に勝手に会社備品を持ち込み、組合活動を妨害

 さらにこうした闘いの最中、会社は組合事務所に勝手に荷物を運びこむなど、組合攻撃を続けています。とりわけ、上記のように神奈川県労働委員会の和解協議中にもかかわらず、組合活動の妨害をしてくるとは悪質です。

 

組合事務所への会社備品の運び込みについては、労働組合は不当労働行為として県労委に救済申立てをしていました。そして県労委による現地視察がおこなわれ、社内には倉庫など充分なスペースがあり、わざわざ組合事務所に備品を置く理由などないことが示されています。

それでも再び備品を持ち込んだということは、組合敵視以外の何物でもありません。まさに不当労働行為の上塗りです。会社のこうした行為は許せません。